《水のおんな》人生を映す(ソロポス紙、2006年7月28日、mg203) |
7月26日(水)夜、マンクヌゴロ王宮のプランウダナンでのワヤン・クリ《水のおんな》(別題《プトリ・ジャディジャディアン》)上演の冒頭は、クボタ・アキコによって奏された琵琶の絃の弾ける音であった。かすかな歌声を伴う日本の独特のギター音は、数ヶ月をかけて準備したこの作品の神秘的な印象を増幅した。 「日本の物語」 《プトリ・ジャディジャディアン》はサン・ダランにとって、あたかもつねに流れ、いずこへ向かうともしれぬ水のような、人生を映している。この物語は平安時代(千年前ころ)の日本の話だが、それをもとに魔法的であると同時に神秘的な印象を秘める一個の今日的なワヤン上演に仕上げている。この世に超能力の赤鬼が生きていて、彼は一人の美女を作ろうとしている。彼にしてみれば、この世のすべての人間が死んでも地球は何の影響もなく、しずかに回っているだろう。すべてが消え、心だてのいい女が残るだけでいい。彼はいま地上で最も美しい人間をつくる要件としての人間の骨をあつめ、細工している。 琵琶や笛のようないくつかの日本独特の音楽、そしてプロジェクターから写し出されたスライドの風景写真と解けあったコンピューターからのバック・ミュージック、それらが舞台のよりいっそうの複合性また現実味を感じとらせたのである。「悲しみ、喜び、笑い、気まぐれ、また死などのすべては、世の誰しもがとうぜん感得していなければならぬ人生の活力なのです」と、なめらかなインドネシア語で、マツモトはそう語った。 (R) |
ジョクジャ・ソロ両古都での公演を終えて(松本亮) |
水のおんな《プトリ・ジャディジャディアン》(チュ・ストヨ) |
往く川の水(芹澤薫) |
プンドポの夢 ―再びウィジョヨクスモに―(塩野 茂) |
二〇〇六年ワヤン大会に参加して(杉田浩庸) |
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