マンクヌゴロ王宮での影絵詩劇(ワヤン・ジュパン)上演決定

「野獣、恋のバラード」Raksasa dan Gadis Cantik=二〇一一年七月四日(月)午後八時〜九時半
     プランウダナンの間、入場無料、招待状不要
     脚本、演出、出演=松本亮ほか(日本ワヤン協会)

そしてソロ、ジョクジャ、ムラピ火山周辺の状況について小報告

(松本亮)

                                         



◎ 二月下旬から三月一〇日までインドネシアにいた。私は昨年十月に大噴火したムラピ火山が気にかかっていて、さっそく親友ムスタムさんの車で山に登り、土地の人たち(被災者もまじっていた)と一緒に、きつい火砕流のあとを見た。はげしく襲った火焔に焼き払われた斜面の灌木林、小学校や家々のあとは目も当てられない惨状だった。日を違えて二カ所をみて回った。風がしょうしょうと吹き、こまかい灰か砂か、地獄の土のよう顔をかすっていく。
  誰か、土地の人が言った。「ムラピしてみれば、ごくごく当たり前な営みなんですよねえ。だけど、そのつど人間は苦しむ。防ぎようもなくてね」 
  ジョクジャカルタ特別州政府主催の今年のワヤン大会は六月と決まっていて、実行委員長は災害魔除けのためのワヤン大会実施を最後までねがったが、資金の都合つかず中止やむなし、申し訳ないが来年には是非、ということになる。
○ ムラピ火山被災者救済募金報告 東京家政大学博物館と御成門のアセアンセンターで昨年と今年開催されたワヤン関係の会に日本ワヤン協会として、そっと募金箱を出させていただいた。浄財集計は15500円だった。二月下旬ルピアに交換し、ワヤン大会実行委員長に寄託するはずだったが、さきにムラピに登り、なお悲惨な状況下にある現地で接したダナ(募金箱)三カ所と仮設の小学校の先生にそれぞれ分けて納めさせていただいた。それにしても災害の爪痕は永遠に消えないものなのだ。亡くなった人は永遠に帰らないからである。
○ 三月十日に帰京、そして翌十一日の東北・関東大地震、大津波、原発事故となる。合掌。

◎ 思えば、ジョクジャのワヤン大会は2006年の大地震被害をうけ翌年の07年が中止になった。中止は二度目である。その07年やはりソロへ出向き、マンクヌゴロ王宮で上演させてもらった。この王宮は私の四〇年におよぶ交友の地であり、一九八三年にはほぼ一年間その 別邸が提供された。拙著「ジャワ夢幻日記」曽遊の地である。
◎ 2011・7・1〜3……ソロ国際パフォーミング・アーツ(マンクヌゴロ王宮外庭)
       7・4〜6……ソロ・バティク・ファションショー(ソロ市庁舎)

七月以降の主な上演、催しの予定(二〇一一年)
 09・10(土)渋谷ラママ・徹夜ワヤン=マハーバーラタより
    出演=宮原理紗、西山裕美 YUKI 松本和枝、大和田尚、中辻正
 09・24(土)東京家政大学博物館。「野獣、恋のバラード」
 10・29(土)東京家政大学博物館。ギャラリー・トーク
 11・05(土)日暮里サニーホール。「スマントリの仕官。天人の羽衣」

                              日本ワヤン協会





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