98.Bima Tulak
ビモ・トゥラック

 このラコン・チャランガンは1920年代にはしばしば上演されたが、現在は上演される事が少ない。物語は、パンダワたちが、スウェロギリの森を開拓して水田を作り、神々よりの天啓を受けるというものである。
 彼らはスウェロギリの森に出発した。
 森の中でユディスティロはティウィクロモし、その頭を屈めて大地を見回すと水田が広がった。その水田はサク・イングック(Sak Inguk)と呼ばれた。その意味は「一度見るだけ」である。ビモはアジ・ジョロ・スンゴロの力を使って水田を作った。彼が肩を動かすと、水田が広がった。その水田はスバウ(Sebahu)と呼ばれた。アルジュノは横たわってムジュン(mujung=着衣の一種)で大地を覆って水田を作った。彼がアジ・セピ・アグンの護符を使うと水田ができた。その水田はサウジュン(Saujung)と呼ばれた。ナクロが唾を吐くと、水田ができた。その水田はサイドゥ(Saidu : idu=唾)と呼ばれた。またサデウォは少量の汚物で水田を作った。その水田はサエンクリ(Saencrit)と呼ばれた。
 一方、プラブ・コログマランの部下が空腹のため息をつくと、作物の伝染病の細菌がまき散らされた。アマルトに広い水田があることを聞きつけ、そこへ向ったのだ。パンダワの甚大な努力によって稲がたわわに実った。
 作物が伝染病に襲われようとした時、ユディスティロはカリモソドの呪文を唱えると、作物は再び健やかに成長した。また、ビモが呪文を唱えると、その着物が広がり、水田を取り囲んだ。ふたつの持物から輝く光が出で、作物の伝染病は逃げ去っていった。
 パンダワたちの水田はかくて守られたのである。 

>Back to Index

>Back to Category



Nhpon Wayang Kyokai Home Page