93.Wahyu jatiwasesa
ワフユ・ジャティワセソ

 ラコン・チャランガンのひとつ。それを手に入れた者はだれあろうと大いなる王の系譜を得る事ができるというワフユの物語である。ジャティワセソと呼ばれるそのワフユはルシ・マヤンコロ、すなわちアノマンが管理していた。ワフユ獲得に奔走したのは、コラワたちとパンダワの息子たちである。コラワを率いるのはドゥルノとアディパティ・カルノ、一方パンダワの子供たちはガトゥコチョとウィサングニが全権を委任された。
 ルシ・マヤンコロは条件を出した。マンドロクレスノつまり黒色を意味する的を用意された弓で射抜いた者は誰であれワフユ・ジャティワセソを手に入れる権利を得る、というのである。全ての者が失敗した。
 この失敗にドゥルノは絶望したりはしなかった。彼はワフユを保管する小箱を盗む事を考えたのだ。その企みはウィサングニの知るところとなり、ウィサングニは、そっくりな偽物の箱を作り、その中に入った。その贋の箱をドゥルノは盗み出した。
 ルシ・マヤンコロはガトゥコチョに告げた。マンドロクレスノを射抜く事ができるのはアビマニュである、と。それは真実であった。アビマニュは的に矢を放った。その時、マンドロクレスノはプラブ・クレスノとなり、矢はアルジュノをなった。そのときまたワフユ・ジャティワセソはアビマニュの体内に入った。
 アスティノ王国では、ドゥルノがプラブ・クレスノに、仕事の成功を喜び勇んで報告した。威張りながら贋の小箱を開くと、中にはウィサングニがいた。恥ずかしさのあまりドゥルノはウィサングニを呪った。そのアルジュノの息子はバラタユダの見る機会無く若いうちに死ぬだろう、と。
 それに対してウィサングニもまたブガワン・ドゥルノを呪った。後の日のバラタユダにおいて彼は自身の罪により死を迎える、と。

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