68.Mustakaweni
ムストコウェニ

 プラブ・ユディスティロの偉大な権威はカリモソドの書を持つ事によるものであった。それでパンダワの敵たちはそれを盗もうと計った。ある時、マニマントコ国のプラブ・ブミロコの妹、デウィ・ムストコウェニは、パンダワへの報復のためアスティノに到来した。グウォ・ドゥムンの苦行者ブガワン・コロ・プジョンゴの訓告を受け、彼女はガトゥコチョになりすまし、カリモソドを手に入れた。その時パンダワたちはチャンディ・サプトルンゴの修繕に多忙を極めていた。サデウォとガトゥコチョが見張りとなっていたが、昼夜を問わず働いてもチャンディはまだ荒れ果てていた。それ故、彼らはプラブ・クレスノに頼み、サプトルンゴまたの名をサプトアルゴへ来てもらった。クレスノがアマルトへ到着し、二人の王はサプト・アルゴの苦行所へ向った。
 一方、アマルトの宮殿ではデウィ・ドゥルパデがデウィ・スムボドロとデウィ・スリカンディに対面していた、突然ガトゥコチョの偽物がプラブ・ユディスティロの使者と称してカリモソドを取りに来た。疑いを抱く事も無くドゥルパディはそのジマット(カリモソド)をガトゥコチョに渡したが、幸運にもスリカンディは疑いを持った。
 ガトゥコチョが王宮を辞するとすぐさま、スリカンディは広間に入り、成り行きを聞くや、それが盗人による詐術だと断じた。ガトゥコチョを見つけ、戦いとなった。贋のガトゥコチョはムストコウェニの姿に戻り、空へ逃げた。
 追跡の途中でスリカンディはグラガワンギの苦行所から来たプリヤンボドという名の青年と出会った。彼は祖父、シディ・ワスポドの命でその父アルジュノを探しているところだった。スリカンディは援助を承諾したが、まずはジマット・カリモソドを持っていったムストコウェニの追跡を頼み、プリヤンボドはそれを承知した。
 マニマントコに至り、カリモソドはすぐにプラブ・ブミロコに渡された。それは実はプラブ・ブミロコになりすましたプリヤンボドだった。巧妙な詐術で彼は容易くカリモソドを取り返し、すぐさまサプトアルゴへ赴き、そのジマットはプラブ・クレスノに委ねられた。だが、今度は反対にクレスノはムストコウェニの化けたものだった。プリヤンボドは平静を失って、戦いとなり、プリヤンボドの放った矢にムストコウェニは裸にされてしまった。かくて彼女は降伏し、アマルトに連行された。
 王国に至り、カリモソドはユディスティロに手渡され、ムストコウェニはプリヤンボドの妻とされた。一方プラブ・ブミロコはパンダワたちに追い払われた。
 このラコンは、ラコン・チャランガンに含まれ、ひじょうに著名で、しばしば上演される。

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