224.Banjaran Sengkuni (Riwayat Sengkuni)
スンクニの生涯

 このラコン・バンジャランはスンクニ、またの名をアルヨ・スマンの生涯を語る。物語はバトロ・ドゥウォポロがサン・ヒャン・トゥンガルによって天界から追放されることから始まる。
 その性質が嫉妬深く、貪欲で悪巧みに満ちていたので、バトロ・ドゥウォポロは人間として、地上で生きる事をよぎなくされた。
 「地上でそなたは、悪意に満ちた性質を許されることとなるだろう」サン・ヒャン・トゥンガルは言った。
 バトロ・ドゥウォポロが地上に降下した時、アウアウ・ランギットまたはガンドロ国の王妃に子が産まれ、バトロ・ドゥウォポロは、アルヨ・スマンまたの名をスンクニと名付けられた赤子に入魂した。
 成長してスンクニはプラブ・パンドゥ・デウォノトのパティ(大臣)となった。この時、スンクニはパティ・ゴンドモノを陥れ、彼はアスティノのパティの職を辞した。このことはスンクニを喜ばせた。この職はついに彼に与えられたからである。
 パンドゥ・デウォノトが逝去した時、ブガワン・アビヨソはパンドゥの遺産である超能力の香油、レンゴ・トロLenga Talaをパンダワとコラワが不死身になれるよう、分けたいと話した。しかし,分けようとした時、コラワがその香油を奪おうとして騒動となった。圧されたブガワン・アビヨソは遠くに落ちるに至り、デウィ・クンティは気絶した。香油は草原に落ちた。
 パティ・スンクニはすぐさま全ての着衣を脱ぎ捨て裸になり、香油で濡れた草の上を転げ回った。こうしてスンクニの身体は口と肛門を除いて、不死身となった。
 さらにデウィ・クンティの気絶して乱れた様を見て、パティ・スンクニは近づき、スムカンSemekann(胸当て)を剥いだ。しかし、それ以上の仕儀に及ぶ前にデウィ・クンティが正気に返った。デウィ・クンティは言った。スンクニの皮で作ったスムカン以外はもはや身につける事がないだろう、と。以来、デウィ・クンティはブガワン・アビヨソの外衣ロロダンのみを身につけることとなった。
 アスティノのパティに就任してから、スンクニの嫉妬と悪意はさらに深くなった。彼はコラワたちを煽動し、パンダワとデウィ・クンティをバレ・スゴロゴロの事件で殺そうとした。
 パティ・スンクニはまた、パンダワを騙し,賭博に誘うことに成功した。その賽子賭博においてスンクニはコラワの代表となり、いっぽうユディスティロがパンダワの代表となった。スンクニのいかさまによって、パンダワは全てを失った。王国、財産の全てを失い、パンダワは12年間追放者として生きなければならなかった。
 バラタユダ勃発の時、スンクニはビモに捕らえられ、右手のクク・ポンチョノコ(ビモの爪)はスンクニの口に、左は肛門に差し込まれた。身体のその部分だけが不死身ではなかった。スンクニは生きたまま皮を剥がれ、ついに死に至った。
 スンクニの皮でデウィ・クンティのスムカンが作られた。
 このラコンはわりと有名である。

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