212.Burisrawa Lena atau Timpalan

ブリスロウォの戦死
(ティムパラン=皮が剥がれる傷・骨に達する傷の意)

 バラタユダ・シリーズの一部を成すラコンである。このラコン・パクムに属する演目はスティヤキがクレスノとアルジュノの手助けを得て、ブリスロウォを斃す物語である。
 まず物語はアルジュノの誓言から始まる。それはアビマニュの戦死への報復として一日の内にジョヨドロトを殺せなければ、彼自身が死ぬというものであった。
 それ故、コラワたちはジョヨドロトが殺されないように隠した。そうすればアルジュノは自らの誓いどおりに自殺するであろうからである。またジョヨドロトの義父はアルジュノを撹乱させるために、千人のジョヨドロトを作りだした。
 陽が西に落ち始めた時、プラブ・クレスノは心中恐れを抱いた。アルジュノの誓いが現実のものとなってはならぬ、と。
 プラブ・クレスノはかくてスンジョト・チョクロを天に放ち、戦場のまわりはあたかも夕暮れのよう暗くなった。者皆動く事を止め、アルジュノの死を見届けようと待っていた。ジョヨドロトもまた隠れ場所から出て、それを見ようとした。この一瞬、クレスノはアルジュノに合図を送り、すばやくそれを受けたアルジュノはパソパティを射放ち、ジョヨドロトの首が落ちた。
 者皆アルジュノが過ちを犯し、自らの誓いを違えたと見たが、プラブ・クレスノはその時、スンジョト・チョクロを引き戻した。太陽は再び輝きを取り戻した。
 断ち切られたジョヨドロトの首は義父、ブガワン・サプワニの膝に落ちた。超能力の僧はかくて、ジョヨドロトの歯にチス(cis=槍)を銜えさせた。そして思念を込めて戦場に返し、ジョヨドロトの首は多くのパンダワ兵を殺して暴れ回った。
 アルジュノは再びパソパティを放ち、ジョヨドロトの首を粉砕した。
 そしてブリスロウォの死の物語となる。
 真実古くからの仇敵であったスリスロウォとスティヤキの一騎打ちで、スティヤキは彼に敵わなかった。
 これを見てプラブ・クレスノは、義弟を助けようと図った。彼はかくて今だアビマニュの死を嘆き悲しむアルジュノに尋ねた。アルジュノが正確に矢を放つことができるか、と。アルジュノはできると答えた。クレスノは一本の髪を伸ばして、アルジュノにこの髪を射てと命じた。明らかにクレスノはアルジュノの放つ矢の方向がブリスロウォに向くよう仕向けた。矢が放たれて飛び、スティヤキの首を切ろうとするブリスロウォの手を切り落とした。
 スティヤキは未だ剣を握ったままの敵の手を拾い上げ、ブリスロウォの首を落とし、死を与えた。

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