210.Bogodenta Gugur

ボゴドゥントの戦死

 ラコン・パクムに属する。このラコンはラコン・バラタユダ・シリーズの一部を成す。アスティノの属国の王、ボゴドゥントはバラタユダにおいてコラワ一族に組した。彼はプランギャティソ国の若き王であった。
 コラワのセノパティ(軍司令官)の一人として、ボゴドゥントはクルセトロ(クルカセトロ)の戦場に立った。ムルダニンクン象に乗り、容姿端麗なる女スラティ(調教師)、ムルダニングルムを従えて。
 多くのパンダワ兵を斃し、ボゴドゥントはアルジュノに挑戦の叫びを上げた。心を熱くしてアルジュノはその挑戦に応じた。しかし、アルジュノが矢を放つ度に、スラティ・ムルダニングルが微笑み、アルジュノの集中力が乱された。アルジュノの心の乱れに乗じてボゴドゥントは重代の武器たる矢、ワストロセウを放った。この攻撃を避けるため、アルジュノは戦いの場から遠くはなれた所まで跳び退かなければならなかった。
 今やアルジュノはムルダニングルが注意をそらすために微笑んでみせたことを悟った。すぐさま彼は美しきスラティに矢を放ち、その胸を射た。ムルダニングルは斃れた。
 ムルダニンクン象は調教師が斃れたのを知るや、死体に近づき泣いた。その涙が美しき女性の身体に滴り落ちると、デウィ・ムルダニングルは生き返り、立ち上がった。
 アルジュノはかくてムルダニンクン象に向けて矢を放ち、これを殺した。そかしボゴドゥントが泣くと、象は生き返った。ボゴドゥントが死ぬとムルダニングルの涙で生き返った。これが繰り返された。
 アルジュノは困り果てた。
 キ・ルラ・スマルの忠告に従い、アルジュノは三叉の矢トリスロを放った。超能力の矢によって、三者の敵は一度に斃された。
 このラコンはポピュラーで、しばしば上演される。

>Back to Index

>Back to Category



Nhpon Wayang Kyokai Home Page