199.Irawan Maling
盗賊イラワン

 イラワンとオントルジョはバムバン・ジュンゴロの死を看取り、放浪を続けた。彷徨って彼らはアスティノに至り、無謀にも王宮へ侵入した。
 イラワンは王の乗用馬を盗み、オントルジョはドゥルユドノの所有する象とアスティノの旗を運び出した。盗みに成功した彼らは、バムバン・イラワンの住処、ヨソロトの苦行所へ帰った。
 コラワたちは捕らえようとしたが、盗人たちは巧妙で、徒労に終わった。失敗にけりを付けるため、ブガワン・ドゥルノはスユドノに、盗賊たちがガトゥコチョとオンコウィジョヨに思えた、と報告した。そこでプラブ・ユディスティロに罪人の処遇を一任することになった。
 アディパティ・カルノからの訴えをうけたプラブ・ユディスティロは、ナクロをマドゥコロへ派遣した。ナクロの報告を受けたアルジュノはおおいに驚きいた。というのも事件の際ガトゥコチョとオンコウィジョヨは不在であったからである。
 アルジュノはかくて二人の武将に盗賊を捜し出す事を命じた。途中彼らは、ヨソロトの苦行所から来たイラワンとオントセノと出会い、彼らを捕らえようとしたが、逃げられてしまった。
続いてイラワンはガジャ・オヨの宮殿に忍び入り、スユドノに求婚されていた、プラブ・ジョヨディムルティの娘、ティスノワティと関係をもった。ジョヨディムルティが女の館に入ってきた時、イラワンは巧みに逃げ、サン・ラジャはスユドノに報告した。
 ガジャ・オヨを去ってイラワンはまだ満足せず、今度はアスティノの王宮へ入り、スユドノの娘、レスモノワティと愛を交わした。捕まりそうになったが、またもや彼は逃げ仰せた。そこでスユドノは盗人と判断したオンコウィジョヨのいるアマルト攻撃を決定した。
 そのころオンコウィジョヨはスマル、ガレン、ペトルと共に盗賊追跡に疲れて眠っていた。
 突然イラワンが現れて、オンコウィジョヨのクリスを盗んだ。しかし今回彼は不運にもクリスに触れるや気絶してしまった。オントセノが彼を運んで逃げ、ヨソロトの苦行所へ帰った。オンコウィジョヨはクリスを失ってスマルに捜索を頼んだ。家来(スマル)はすぐさまヨソロトに来て、ルシ・カンワに化け、クリスを取り返した。
 クリスを取り返されるとイラワンは意識を回復し、スマルを追った。ついに戦いとなり、イラワンはソロトモの矢を放ち、オンコウィジョヨはパソパティを放った。二つの矢は互いに宙でぶつかった。クレスノが到来し、ふたりが母違いの兄弟である事を教え、戦いを収めるように求めた。
 コラワがやって来てアマルトを攻めたがアルジュノに撃退された。
 このラコンはラコン・チャランガンに含まれ、上演は稀である。

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