187.Danasalira
ドノサリロ

 アディパティ・カルノとスルティカンティの息子、ワルソ・クスモが大人になった。ある日彼はスユドノの娘、デゥイ・レスモノワティに求婚したが、条件を提示された。それは、求婚者は九百の柱を持つ黄金の館(バレ・クンチョノ bale kencana)を建設しなければならないというものだった。
 条件を満たすため、アディパティ・カルノはビモに手助けを求めた。そこでビモはガトゥコチョに、シングロへ赴きデウィ・レスモノワティの望むバレ・クンチョノを借りてくるように命じた。ガトゥコチョは命令を遂行し、バレ・クンチョノを所有するビスワルノと会い、これを借り受けた。
 空を飛んでアウォンゴへ運ぶ途中、アノマンがそれを見てバレ・クンチョノを持っているのが盗人だと思い、戦いとなった。お互いを確認して戦いは終わり、ガトゥコチョは道行きを続けた。
 そのころアスティノではワルソ・クスモをデウィ・レスモノワティの結婚の準備が整っていた。しかし、レスモノワティに恋慕する若者が押し入って騒ぎが起こった。それは、ガムビル・ムラティの苦行所のバムバン・ドノサリロで、彼はブガワン・シディ・ムルヨの孫であった。彼は祖父に命じられ、父アルジュノを探して、マドゥコロへ行く前にプリンゴダニにやって来た。アリムビによってバムバン・サプトルンゴロの名を、バムバン・ドノサリロに改め、ガトゥコチョに従ってシングロへの旅に同行したのである。しかし彼は迷ってアスティノへ入り、デウィ・レスモノワティと恋に落ちたのであった。
 この知らせを聞いたアディパティ・カルノは、心を傷つけられ、ひじょうに怒り、アルジュノとビモにアスティノへ来るよう求めた。コラワはドノサリロを捕らえ、プラブ・スユドノの前に引き出され、公開で死刑を行うことになった。
 彼の身体を傷つける事の出来る武器はなかったが、ついにはアルジュノの持つクリス・プラングニで殺された。ガトゥコチョはこの事件を見て、すぐさまその遺体を取り上げて飛び、ドロワティへ運んだ。スリ・クレスノのウジョヨクスモの花により、ドノサリロは蘇生させられた。
 このラコンはラコン・チャランガンに含まれ、あまりポピュラーでなく、上演もまれである。

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