Pakeliran
パクリラン

 「ワヤン上演」を意味する専門用語。主にクリル(幕)を用いるもの、ワヤン・クリ・プルウォ、マディオ、ゲドック、ワフユのようなものを指すが、ワヤン・ゴレ(木偶人形)、ワヤン・クリティック(板人形)なども全てパクリランと言われる。パクリランは上演形式によって三つに分けられる。パクリラン・スマラム、リンカス、パダットである。
 パクリラン・スマラム Pakeliran Semalamはその上演時間がほぼ7時間に及ぶ。また多かれ少なかれ伝統的パクリランの上演の規則に沿って行われる。場面の型、時間の分割(パテット)、伴奏音楽の使い方、スルク(スロ=ダランが語りの合間に歌う詩)などである。
 パクリラン・リンカスPakeliran Ringkas は上演時間が4時間ほどのパクリランの形式である。このパクリランの形式は、パクリラン・スマラムの形式に準じるが、不要と判断される場面、即ち、ガプラン(gapuran 門)、クダトガン(kedatogan 王宮の場面)、アドゥガン・ソゴ・ピサン(adegan sanga pisan パテット・ソゴの中心場面)などは省かれる。この省かれた場面分の時間が短縮されることになる。
 パクリラン・パダット Pakeliran Padat は一夜を徹して上演されるパクリランの形式に則った場面設定に従わず、コンセプチュアル(観念的)な方法によるパクリランである。このパクリラン・パダット形式の根幹は、不要な繰り返しなどを排し、言葉・動き・音楽を有効に用いて、可能な限り凝縮された内容を提示することにある。とはいえ、パクリラン・パダットも、既にあるパクリランの諸要素を用いることに変わりはない。

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