4.Ngruna-Ngruni atau Btara Suruya Krama

スルヨ神の結婚

 このラコンはラコン・バクに属し、カヤンガン・エコチョクロに住まうバトロ・スルヨが、その名をデウィ・グルノとデウィ・グルニという二人の姉妹ビダダリを妻に迎える物語である。バトロ・ウィスヌの娘デウィ・カスタピはブリハワン鳥との結婚で二つの卵を産んだ。二つの卵はバトロ・グルの命によりデウィ・グルノとグルニに与えられた。デウィ・グルノの卵は一匹の蛇によって孵化させられ、二羽の鳥となりセムパティと若い方はジャタユと名付けられた。一方、デウィ・グルニの卵も孵化して大きい蛇はノゴ・ゴムバン、小さなものはサウェル・ウィソと名付けられた。
 鳥と蛇の姿の子どもたちは非常に注意深く隠された。彼らは非常に粗暴であった。二人のビダダリにはかくて問題を抱えた。一体誰がこの子どもたちを抑え、見張ることができるのか。 デウィ・グルニが質問した。「そこに見えるのは何?雄の牛、それとも雌の牛?」デウィ・グルニは当てることができなかった。そして彼女は自らの愚かさを恥じた。この時、蛇たちがやって来てその母を助け、すぐに二羽の鳥に咬みついた。逆に鳥たちは蛇たちが死に至るほど咬みついた。
 この事件に怒り、デウィ・グルノはグルニを呪って言った。「グルニがその子どもたちを助けた時は、ラスクシ(女ラクササ)と成りますように」
 この時デウィ・グルニはラスクシの姿となり、彼女は何に成ってしまったのかに気付き、起こった出来事を乗り越えることができるよう、バトロ・スルヨに会いに走った。彼女の夫の指示に従って、デウィ・グルニは先の卵達の祖父であるバトロ・ウィスヌにこの災厄の解決を乞うた。
 この事件の後、セムパティ並びにジャタユ鳥はグヌン・ウィンドゥの苦行所へ行っき、蛇たちは母親がラスクシとなったのを見て大いに驚き、海に逃げ去った。
 一方、神々の住まうカヤンガンは、パランサリ王国のプラブ・サンカン・トゥルナンの脅威にさらされ、不穏であった。彼は、デウィ・グルノとグルニを妻にしたいと願っていた。プラブ・サンカン・トゥルナンはそのラクササ軍でカヤンガン・スロロヨを攻撃した。神々はラクササたちの超能力に拮抗し得なかった。
 バトロ・ウィスヌはデウィ・グルニにこう説いた。彼女が元の姿に戻るためにはプラブ・サンカン・トゥルナンの娘、その名をレトナ・ジョトワティという者をさらってこなければならぬと。
 ガルダ鳥ジャタユに助けられて、デウィ・グルニはデウィ・ジョトワティを連れてくることに成功した。
 一方、ジャタユはまた、ラクササ軍を粉砕することにも成功した。プラブ・サンカン・トゥルナンは彼の軍が粉砕されたことを知り大いに怒り、すぐさま向こう見ずにもスロロヨを攻撃してきた。烈しい戦いとなったが、彼はジャタユ鳥によって敗れた。
 バトロ・ウィスヌはジャタユの勝利を大いに喜んだ。感謝のしるしとして、バトロ・ウィスヌはレトナ・ジョトワティを妻としてジャタユに賜った。
 約束通りに、グルニは元のような美しいビダダリの姿に戻ったが、グントロスゴロに留まっていた。妻がビダダリとなったのを見て、バトロ・スルヨはよりを戻そうとなだめたが、デウィ・グルニははねつけた。神々の指導者たるバトロ・グルの命をうけてやっと、グルニはバトロ・スルヨとの復縁を承諾した。
 このラコンはわりと頻繁に上演されるが、あまりポピュラーではない。

>Back to Index

>Back to Category



Nhpon Wayang Kyokai Home Page