3.Sri Wisnu Krama

ウィスヌ神の結婚

 サン・ヤン・プラメスティ・グルはバトロ・ウィスヌと、カヤンガン(天界)・エコプラトロの神バトロ・エコウォロの娘デウィ・プルティウィを結婚させようとした。その計画を実行するに当たってバトロ・グルはデウィ・プルティウィを迎えるためにバトロ・ナロドを遣わした。しかしデウィ・プルテウィはその招待を断った。というのも、彼女はある希望と条件をもっていた。それはウィジョヨクスモの花を持つ者のみが彼女と結婚し得るというものだった。
 一方、ある夜、アルゴジャティの苦行所のブガワン・ケソウォシディの娘、エンダン・スマルシはバトロ・ウィスヌと結婚する夢を見た。 (注)幾人かのダランはスマルシをスワルシとする。)
 その日の朝、彼女は父親に、その望みを叶えてくれる人を探してほしいと頼んだ。サン・ブガワン(ケソウォシディ)は娘の願いに従って、探しに行った。まもなくブガワン・ケソウォシディはスマル、ガレンそしてペトルに随行されたバトロ・ウィスヌと出会った。ケソウォシディは目的を説明したが、バトロ・ウィスヌは断った。強制的にバトロ・ウィスウはケソウォシディの望みに従わされた。
 アルゴジャティの苦行所についてすぐ、バトロ・ウィスヌはエンダン・スマルシと結婚した。幾日かを苦行所で過ごして後、バトロ・ウィスヌは義父にウィジョヨクスモの花を探しに行くことを告げ、援助を乞うた。サン・ケソウォシディはその花を持っていたので、快くバタリ・プルティウィとの結婚の条件であるウィジョヨクスモを与えた。かくてバトロ・ウィスヌはウィジョヨクスモの花を手に入れ、すぐさまエコプラトロへ向かった。
 一方、ガルバピトゥ国のラクササ王プラブ・ウィスヌデウォもまたバタリ・プルティウィとの結婚を望んでいた。彼女がウィジョヨクスモの花を求めていることを家臣の報告で知った彼は、非常に喜んだ。というのも、この王は青黒い色の牡牛を持っており、その牛の首にはウィジョヨクスモの花の枝があったからである。
 それ故彼はすぐさまカヤンガン・エコプラトロへ向けて発った。とはいえ、カヤンガン・エコプラトロに到着するやなんとも失望したことに、バタリ・プルティウィはすでにバトロ・ウィスヌと結婚した後だった。プラブ・ウィスヌデウォは大いに怒った。
 その軍隊とともに、プラブ・ウィスヌデウォはバタリ・プルテウィを奪うために攻撃を仕掛けた。戦いとなり、プラブ・ウィスヌデウォと不思議な牡牛はウィスヌに殺され、双方ともウィスヌの身体と一体となった。かくてウィジョヨクスモの枝は遂にその花と一体となったのである。
 このラコンはラコン・ポコに属するが、上演されることはまれである。

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